カミさんが図書館から借りて来たので、タイトルに惹かれて読んでみました。
内容は、アメリカではここ20年で金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏になって来た。これはメジャーリーガーなどでも判る様にトップクラスの選手に与えられる年俸はどんどん膨らんで行くが、その中に入れる人の数は減って行き、そのしわ寄せでその他の選手は年俸は低くなって行く一方でその数は増えるばかり。そのため、みんながトップクラスに入るために、どんな事でもやるようになってきたという話しです。
このタイトルで言っているうそつき病というのは、メジャーリーガーが検査で見つけられない薬物を使用する。有名私立大学に入るため、何も問題が無いのに学習障害があるという虚偽の診断書を高い金を払って作ってもらい、試験時間を延長してもらう。自社の株価を上げるため売上をつり上げた決算書を出して、株主には高い配当金を、自分にはストックオプションで大もうけをし、ばれて捕まったら儲けた金の何分の一かの和解金を支払って済ませて、しかも和解金の計算から自宅は除外される州に住んで、何十億円もの豪邸を建てて浮かせたり、さらに年金も和解金の算定額に入らないので、高額な年金を払っていたり。金持ちはその金を使ってロビー活動を行い、金持ちに有利な税制を制定させ、国税局や検察の予算を削減させて弱体化させ、もし裁判になっても金をつぎ込んで有能な弁護士や調査員を雇えば必ず勝てるようにしておく。そのため国税局は勝ち目の無い金持ち相手の訴訟はあきらめ、弁護士を雇えないような所得の低い人達から取り立てて行く。
こういう激しい格差社会になって来ると、人々はモラルを捨て「みんながずるをしているのに、自分もしなければ損をする」と思い、どんどん不正を重ねて行く。もう負のスパイラルにはまり込んで行く一方です。
でも今度の大統領選挙で民主党のオバマ氏が大統領になった事で、変わっていくかもしれません。共和党は金持ちから巨額の資金を得て、金持ち有利の政策を進めて来ましたが、オバマ氏の選挙資金は金持ちでない人々が少しずつ出した金が、人数が多い分たくさん溜まり、今回の選挙を支えました。こういう人々の声に答えられるなら、アメリカは変わるかも知れません。
そして怖いのは日本がアメリカの良い所ばかりを見て、手本にしているということ。もうアメリカの真似はやめよう。アメリカだけが世界じゃないんだよ。他にもいろいろな国があるんだから、スウェーデンとかドイツとか学ぶべき国は数多とあるのだから。