もし
人生に「もし」はない。
ジェームス・ブライアン
獣木野生著「パーム・午前の光 3」より
人生に「もし」はない。
ジェームス・ブライアン
獣木野生著「パーム・午前の光 3」より
既に修理は終わりましたが、これまでやってきたことを引き続き書いておきます。
今回はミッションカバーの取り付けです。
ミッションケースやミッションカバーには各シャフトのベアリンクを受けるくぼみがあり、そこにベアリングが固くはまり込んでいます。これは受け側のケースやカバーを温めることで金属を膨張させて隙間を作り、その間にベアリングをはめ込みます。その後、常温で放置して冷ますと、受け側が収縮してベアリングが抜けない様にがっちりとはまります。かもいさんによるとこのような方法を「焼きバメ」と呼ぶそうです。
彼の会社で焼きバメを行う時は、温める部品を恒温槽に入れてしまうのだそうです。恒温槽とは中の温度を設定通りに保つ容器です。私の会社でもコンピュータの温度動作試験で使われていました。中にコンピュータを入れ、0〜40℃の間で温度を一定周期で変化させ、動作に異常がないか試験するのです。大きさや設定温度などで色々な恒温槽があるようです。
でもさすがにサンデー・メカニックで恒温槽まで持っている人はいないよなぁと思っていたのですが、良いアイデアが閃きました。R100GSのミッションで焼きバメを行う場合の温度は100℃です。この程度なら余裕を見て200℃としても段ボールで充分に耐えられます。温度管理は200℃まで測れる温度計があるので、これを使えばOKです。この200℃まで測れる温度計は、ホームセンターの農業資材置き場で見つけ、800円くらいでした。加熱には段ボールに穴を開けて、手持ちのヒートガンで熱風を送ります。温度調整は段ボールとヒートガンの距離で調整します。
まずは段ボールにミッションカバーを入れます。ちなみにこの段ボールは二重構造の物です。中の部材が熱風の循環を妨げない様に注意して置きました。
次に段ボール上面に、キリなどで温度計よりちょっと小さめの穴を開けます。そして温度計をぐりぐりっと突っ込みます。
最後にふたをして、ふたの横にヒートガンの熱風を吹き込む穴を開けます。ヒードガンの吹き出し口を穴に向ける様に木材などで調節して置きます。
ヒートガンのスイッチを入れます。Low(300℃)に設定して、写真の距離の所に置いた所、温度がどんどん上がって行き、2分後ぐらいには110℃まで上がりました。そのまま5分程放置して中のミッションカバーを温めます。
その間にミッション本体側の用意をします。ベアリング上にシムを置きます。そのままだとずれ易いので、三カ所くらいにちょんちょんと万能グリースを付けて、ぎゅっと押さえつけます。こうするとずれ難くなります。さらにイミディエイトシャフトにはバッフルプレートを取り付けます。(実は取り付け忘れて、再度ミッションカバーを外して、やり直したのでした・・・orz)
5分後に見ると、温度は120℃になってしました。これくらいなら許容範囲でしょう。100℃に耐えられる分厚い手袋をして、ミッションカバーを取り出します。そしてシムがずれない様に慎重に垂直にカバーを降ろして行きます。カバーを降ろし終わっても、ベアリングは完全には受け口に収まってくれなかったので、上からプラスチックハンマーで叩いて行きます。するとだんだんとカバーとケースの隙間が小さくなり、ついにはぴったりと嵌りました。そしてカバーをボルトで止めて行きます。
こうしてミッションの組み立てが完了しました。
私のボストンコンサルティング・グループ時代の友人は、大きなヨットを持っていて、土日となればクルージングに出かけている。ところが彼は、やれ係留の費用が高いだの、メンテナンスを頼んでいたのにちゃんと終わっていないだのといつも不平ばかり言っていて少しも幸せそうでない。一方、私は毎週日曜は欠かさず教会に行き、困っている人の相談に乗って、アドバイスをしたりしている。毎週日曜日が取られるのは大変だが、自分が人や地域のために役立っている事から得られる満足感でいつも満たされている。諸君もこれから社会に出て、ビジネスの場で活躍するだろうが、本当の幸福はお金ではなく、家族やコミュニティーから得られるという事を覚えておいて欲しい。
クレイトン・M・クリステンセン教授
「イノベーションのマネジメント」の講義の最終日の言葉
走行距離 70,343km
・エアーフィルターの交換
・プラグの交換(NGK BP6ES 2個)
・イグニッションコイルとプラグコードの接点、プラグコードのプラグとの接点をパーツクリーナーで洗浄後、コンタクトスブレー(接点復活材)を少し塗布。
・ホーンが鳴らなかったので、ホーンに付いているコネクタを外し、パーツクリーナーで洗浄後、コンタクトスブレー(接点復活材)を少し塗布。
プラグは以前はBPR6ESという抵抗が入っているタイプを使っていました。NGKのカタログではBP6ESが指定なのですが、そのとき行ったライコランドにはBPR6ESしかなかったのです。店員さんに相談した所、抵抗なしのプラグの代わりに抵抗ありのプラグを使う分には問題ないとの事で、BPR6ESを使っていたのでした。あるブログによるとプラグには2万ボルトの電圧がかかるので、5KΩの抵抗が入った所で影響はほとんどないとのことでした。実際に乗っていても特に違いは感じられませんでした。この抵抗はスパーク時のノイズを押さえる為に入っています。R100GSの場合、純正のプラグキャップ自体に5KΩの抵抗が入っているので、プラグの方には抵抗は必要ないのです。ちなみに抵抗なしのBP6ESは、ホームセンターの農業資材置き場で見つけました。車・バイクコーナーにはBPR6ESしかありませんでした。
イグニッションコイルは交換する予定です。一年前くらいにプラグコードを抜いた所、中にびっしり緑青(ろくしょう、銅に発生する青緑色のサビ)が詰まっていました。その時は緑青を掻き出し、サンドペーパーで磨いたのですが、今回ミッション修理の最中にプラグコードが抜けてしまい、先を見るとハンダ付けされている金具が取れています。中の芯線も緑青に侵されて、切れてしまっていたのでした。今回はコードの皮膜を1cmくらい剥いて、芯線を切ってハンダ付けし直しました。イグニッションコイルは旧車にとっては消耗品と言われていることもあり、次回、プラグコードと共に交換する予定です。新しいイグニッションコイルはスズキやカワサキが4気筒マシンに使用している2気筒同時点火のものを使用する予定です。とりあえず最初は1コイル2気筒で使用する予定ですが、そのうち時間があれば2コイル2気筒にしようかと考えています。
ホーンは、ホーンの端子にテスターをあててボタンを押すと、電圧がかかったので、ホーンのコネクタが原因と見て、分解、清掃を行い、無事に鳴る様になりました。バイクを静止状態で鳴らすと、結構音が大きいです。実は以前仲間とツーリングに行った時、10m位前を走っている仲間に知らせようとホーンを鳴らしました。しかし本人曰く聞こえてはいたが、バイクのホーンだとは思わなかったとのことでした。実はホーンの位置がちょうど前輪の泥よけの後ろにあり、あまり前に音が行かないのではないかと思っています。そこでホーンを横にオフセットして装着し、前に聞こえる様にしようと思ったのですが、安い薄型ホーンのため、雨に弱いのです。そこで車用の渦巻き型のホーンを買って来て、取り替えようかと思っています。こちらも元々雨にさらされるように設計されている訳ではないのですが、少なくとも元のものより長持ちしそうです。
エアーフィルターはMotoBinsのセールで買いました。でも大きい物なので送料に9ポンド(約2,000円)もかかりました。これはBMWの純正品ではありませんが、BMWにOEM供給しているマーレー社製の物なので、純正とそんなに変わらないと思います。
右が古いもの。結構汚れています。真ん中が新品、左が入っていた箱です。