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2008年3月 アーカイブ

2008年3月 9日

BMW R100GS-PD ミッションの一速で不具合(11)

ベアリングが入荷しました。まず両側ゴムシールのを片側ゴムシールにします。
シールのの内側にマイナスドライバーを差し込みます。

IMG_2809.jpg

写真では普通サイズのマイナスドライバーでしたが、小さい物の方がやり易いと思います。そしてゆっくりとこじります。やがてかぽっとシールが外れます。

IMG_2811.jpg

ベアリングの中はグリースが詰まっていました。またシールの裏側には薄い鉄板が貼ってありました。

IMG_2812.jpg

写真を撮り忘れてしまいましたが、この後ベアリングを取り付けました。このためにベアリングインストーラーを購入しました。ソケットレンチのコマを使う方法もあるようですが、確実で簡単で早いベアリングインストーラーにしました。

ほとんどのベアリングはこれでOKなのですが、アウトプットシャフトのリア側のベアリングは、真ん中にシャフトが突き出ていてベアリングインストーラーが使えません。そのためここだけは21mmのディープソケットを使って叩き込みました。

(12)へ続く

2008年3月15日

BMW R100GS-PD ミッションの一速で不具合(12)

ミッションカバーにキックスターターを取り付けます。

キックスターターのシャフトにスペーサーとスプリングを通します。スプリングはひっかける部分が大きい方がカバー側になります。ミッションカバーへの挿入は、入り始めが固かったので、シャフトにグリスを塗って、ミッションカバーをヒートガンで温めて、プラスチックハンマーで叩き込みました。シャフトは先端は入り難いのですが、そこを過ぎるとゆるくなり、手で自由に動かせます。

IMG_2813.jpg

スプリングを定位置にセットします。まずミッションカバー側をひっかけます。

IMG_2815.jpg

次にシャフト側を引っ掛けるのですが、コツが要ります。キックスターターを、どこにも引っかからずに自由に回転出来る範囲で一番奥まで差し込みます。この状態でスプリングをキックスターター側に引っ掛けます。

IMG_2816.jpg

そしてスプリングが外れない様に気をつけながらキックスターターを回転させ定位置に来たら、シャフトを奥まで押し込みます。これで完了です。

IMG_2818.jpg

私の場合、回転させているうちにスプリングが外れてしまい何度もやり直しました。他に良いやり方を知っている人がいましたら、教えて下さい。

キックスターターを使ってエンジンがかかった試しがないので、いっそのこと外したままにしておこうかとも思いましたが、穴を塞ぐ良い方法が思いつかなかったので、元通りにする事にしました。

(13)に続く

2008年3月16日

BMW R100GS-PD ミッションの一速で不具合(13)

やってしまいました。
インプットシャフトのリア側のベアリングを付ける前に入れなければならないプレートを忘れていました。orz

仕方ないので一度ベアリングを外します。しかしインプットシャフトは中にクラッチプレートのプッシュロッドが通る為、オイルシールが付いています。私のベアリングプーラーは中心軸が直径10mmくらいなので、そのまま使うとオイルシールにめり込んでしまいます。そこで、ステンレス製のワッシャーをかましました。ベアリングプーラーの中心軸には直径7mmくらいの円錐形の突起がついています。それに合う様にM6とM8のワッシャーを重ねてはさんで使いました。

IMG_2843.jpg

結果は成功。オイルシールを傷つける事なくベアリングを取外す事に成功しました。ただ、ワッシャーの方は歪んでいました。でも、2枚重ねだったので、オイルシールを傷つけるまでには至りませんでした。

IMG_2844.jpg

あとは忘れていたプレートを入れて、ベアリングをベアリングインストーラーで打ち込んで完了です。

IMG_2845.jpg

穴がM6の幅広で厚みのあるワッシャーがあれば良かったのですが、いつものホームセンターには置いて無いのです。今度やる時は別のホームセンターに行ってみよう。

(14)に続く

2008年3月18日

BMW R100GS-PD ミッションの一速で不具合(14)

今回はシムの厚みを求めます。

各シャフトのベアリングとミッションカバーの間には、シムと呼ばれる薄い金属の輪を入れます。これにより製造交差や摩耗で変化するベアリングとケース間のクリアランスを一定に保ちます。

このシムの計算方法ですが、私が調べた限りでは2通りありました。

一つは「CLYMER BMW R50/5 through R100GS PD 1970-1996」に書かれているもので、ガスケットの厚みも計算に入れた上で、0.05mmのクリアランスを設けるものです。多分こちらの方法がBMWが推奨している物だと思われます。

もう一つは「BMW メンテナンスブック」で紹介されていたもので、ガスケットの厚みをそのままクリアランスとする方法です。ガスケットの厚みを測定した所、0.28mmありました。組み付ければ多少潰れて小さくなるとは思いますが、それでも0.05mmとはかなりの差があります。

結局、今回は後者の方法でシムの厚みを求める事にしました。理由は0.05mmのクリアランスで組んだ人がミッションが暖まると動きが渋くなるという記事を目にした事と、今回使用した測定器具の誤差が大きく、0.05mmのクリアランスを求めるには精度が不足していると考えたためです。

最初、定尺とノギスのディプスゲージ部分を使って測定しようとしたのですが、値が安定しないのです。計り直すごとに値が変わってしまいます。原因としてはノギスを垂直に安定して立てられないことです。ノギスは頭の方が重いのと、ディプスゲージの基部が小さいため使っているとふらついてしまうのです。そのため斜めになって測定値が変わってしまうのです。またベアリングの出代を計るのに、ベアリングの外周にノギスの基部を当てて、定尺までの深さを測るのですが、この方法だとベアリングのクリアランスにより、押し付ける力によってベアリングが動いてしまい測定値が変わってしまうのです。

そこでちゃんとしたディプスゲージ専用品と、ベアリングの出代より厚みのあるコの字型のアルミチャンネルを買う事にしました。

専用ディプスゲージなら、上が軽く、基部が大きくしっかりしているので、斜めになる心配はありません。本当は0.01mmまで測れるデジタルディプスゲージが欲しかったのですが、あまりお金をかけたくなかったのと、CLYMERの本では0.05mm単位のものを使っていたので、同じような物を購入しました。

コの字型のアルミチャンネルは、ベアリングの出代より厚みのあるものを使う事により、基部をベアリング側でなく、アルミチャネル側に当てる事が出来、安定した測定値が得られます。

アルミチャネルは最初、場所によって厚みにばらつきがあるかなと心配していたのですが、ディプスゲージを使って何カ所か測定した所、30.05mmと同じ値になったので、これなら使えると判断しました。

まずベアリングの突き出し量を計ります。アルミチャンネルにディプスゲージの基部を当て、ベアリングの外周までの深さを測ります。

測定した結果は以下の通りでした。
インプットシャフト:15.30mm
イミディエイトシャフト:15.45mm
アウトプットシャフト:15.20mm

アルミチャネルの厚み30.05mmから上記の値を引いて、ベアリングの突き出し量を求めます。
インプットシャフト:30.05−15.30=14.75mm
イミディエイトシャフト:30.05−15.45=14.60mm
アウトプットシャフト:30.05−15.20=14.85mm

続いて、ミッションケースカバーのベアリング受けの深さを測ります。

測定した結果は以下の通りでした。
インプットシャフト:15.25mm
イミディエイトシャフト:15.95mm
アウトプットシャフト:15.15mm

ベアリング受けの深さからベアリングの突き出し量を引いて、現状のクリアランスを求めます。イミディエイトシャフトについてはバッフルプレートが入るので、その分(0.55mm)も引きます。
インプットシャフト:15.25−14.75=0.50mm
イミディエイトシャフト:15.95−14.60−0.55=0.80mm
アウトプットシャフト:15.15−14.85=0.30mm

この値に近い厚みのシムを入れます。元々入っていたシムは0.30mmと0.50mmのものが複数あったので、これを組み合わせて、以下のような構成にしました。
インプットシャフト:0.50mm×1枚
イミディエイトシャフト:0.50mm×1枚+0.30mm×1枚
アウトプットシャフト:0.30mm×1枚

うーん、測った様にぴったりでした。

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