R100GSパリダカールのセルモーターが壊れた様です。回る事は回るのですが、車とブースターケーブルで繋いで始動しても、回転数がいつもより明らかに低くいのです。これはバッテリーの問題ではなく、R100シリーズの三大問題の一つであるセルモーターのマグネットはく離ではないかと思い、分解してみることにしました。
まずはシートと工具箱を外します。ここまではバッテリーの点検などで良くやっているので知っている所です。
次にタンクを外すのですが、どこを見てもネジらしき物がありません。おかしいなと思って良く見てみるとこんな金具が見つかりました。
これを手前に引いて、外した所、タンクが外れる様になりました。
タンクを外す前に燃料コックを閉めて、ホースを外します。最初、引っ張っても硬くてなかなか外れなかったのですが、右に左に回しながら外すと簡単に外せました。
タンクを外すと結構スリムです。低重心設計なのが良く分かります。
さて、エンジンが見えた物の肝心のセルモーターが見つかりません。怪しいのはエンジン上部の黒い蓋の中です。
しかしここを開けるには、上に多い被さっているエアインテークを外さなければなりません。最初、引っ張って抜こうとしたのですが、うまく抜けません。そこでエアクリーナーの蓋ごと外す事にしました。エアクリーナーの左右4カ所の金具を外します。
するとエアクリーナーの蓋がとれ、エアインテークも一緒に取れました。蓋の下には黄色いエアエレメントがありました。これでエンジン上部の黒い蓋にアクセス出来ます。
エンジン上部の黒い蓋は2本のボルトで止まっていました。ここまで工具を全然使わないで来れました。改めて設計の優秀さに感心します。
さて2本のボルトを外したのですが、蓋が取れません。まだ他にボルトがあるのかなと思い探したのですが見当たりません。そこで蓋のへりを下から木の棒を当てて、ハンマーで叩いてみた所、ちょっと動きました。そうして蓋の端4カ所を均等に叩いて行くとだんだん浮いて来て、ついには外れました。そして思っていた通り、その中にはセルモーターが入っていました。
さて次の問題はセルモーターの取り外しです。これがとても厄介なのです。2本のボルトで止まっているのですが、ボルトの頭の周りがとにかく狭いのです。普通のスパナや眼鏡レンチでは大きくて入りません。基本的にはディーラーでは専用工具を使用しているようなのですが、もちろんそんなもの手に入りません。
試しに安物の細い眼鏡レンチを入れた所、見事に入ったのですが、6角レンチで回すのには角度が足りなくて、回せませんでした。12角レンチならなんとかなるかも知れませんが、30度ずつしか回せないのでとても面倒です。また安物のレンチだったため、レンチ周りがとても細かったので入りましたが、まともな眼鏡レンチでは入りそうにありません。
そこでソケットレンチを使ってみたのですが、ソケットは入るもののラチェットの頭が大きくて入りそうにありません。
と、この辺で空模様が怪しくなって来たので、作業を中止して、全て元に戻しました。ここら辺がガレージがない者の悲しさですね。
問題のセルモーターの外し方は、「BMW OHV Boxer Club」のホームページで見つけました。差し込み角が6.35mmの小型で薄いラチェットを使うと良い様です。早速ホームセンターでラチェットとソケットのセットを買って来ました。しかし6.35mmのラチェットは、ソケットとセットになった安物しかありませんでした。反対側にビットを付ける突起があるので、どこまで回せるのかなというのと、安物なのでどこまでトルクに耐えられるかが問題です。