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うそつき病がはびこるアメリカ

木曜日, 1月 29th, 2009


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カミさんが図書館から借りて来たので、タイトルに惹かれて読んでみました。

内容は、アメリカではここ20年で金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏になって来た。これはメジャーリーガーなどでも判る様にトップクラスの選手に与えられる年俸はどんどん膨らんで行くが、その中に入れる人の数は減って行き、そのしわ寄せでその他の選手は年俸は低くなって行く一方でその数は増えるばかり。そのため、みんながトップクラスに入るために、どんな事でもやるようになってきたという話しです。

このタイトルで言っているうそつき病というのは、メジャーリーガーが検査で見つけられない薬物を使用する。有名私立大学に入るため、何も問題が無いのに学習障害があるという虚偽の診断書を高い金を払って作ってもらい、試験時間を延長してもらう。自社の株価を上げるため売上をつり上げた決算書を出して、株主には高い配当金を、自分にはストックオプションで大もうけをし、ばれて捕まったら儲けた金の何分の一かの和解金を支払って済ませて、しかも和解金の計算から自宅は除外される州に住んで、何十億円もの豪邸を建てて浮かせたり、さらに年金も和解金の算定額に入らないので、高額な年金を払っていたり。金持ちはその金を使ってロビー活動を行い、金持ちに有利な税制を制定させ、国税局や検察の予算を削減させて弱体化させ、もし裁判になっても金をつぎ込んで有能な弁護士や調査員を雇えば必ず勝てるようにしておく。そのため国税局は勝ち目の無い金持ち相手の訴訟はあきらめ、弁護士を雇えないような所得の低い人達から取り立てて行く。

こういう激しい格差社会になって来ると、人々はモラルを捨て「みんながずるをしているのに、自分もしなければ損をする」と思い、どんどん不正を重ねて行く。もう負のスパイラルにはまり込んで行く一方です。

でも今度の大統領選挙で民主党のオバマ氏が大統領になった事で、変わっていくかもしれません。共和党は金持ちから巨額の資金を得て、金持ち有利の政策を進めて来ましたが、オバマ氏の選挙資金は金持ちでない人々が少しずつ出した金が、人数が多い分たくさん溜まり、今回の選挙を支えました。こういう人々の声に答えられるなら、アメリカは変わるかも知れません。

そして怖いのは日本がアメリカの良い所ばかりを見て、手本にしているということ。もうアメリカの真似はやめよう。アメリカだけが世界じゃないんだよ。他にもいろいろな国があるんだから、スウェーデンとかドイツとか学ぶべき国は数多とあるのだから。

情報社会の倫理と法 41のケースで学ぶ

土曜日, 12月 6th, 2008


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情報社会の倫理と法 41のケースで学ぶ
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その名の通り、情報社会に置ける倫理と法律のバランスを、41のケースで紹介しています。主にアメリカでの話しなので、法律や裁判の判決はアメリカでの物になります。色々なケースを紹介していて、興味を引かれるのですが、問題点だけが書かれていて、結局それは違法なのか合法なのかという肝心な部分が書かれていません。

こういうのの日本語版が出ればとても良いなと思います。もちろん最終的な判決や和解の条件も書かれてたものですけどね。

スカイ・クロラ

木曜日, 11月 6th, 2008

この前、映画を観たので、原作の小説の方を読みました。小説を読んだのは久しぶりです。森博嗣は初めてですが、とてもおもしろかったです。フィリップ・K・ディックの小説のような感覚を得ました。

まだ映画も小説も読んでいないなら、小説の方から読む事をお勧めします。先に映画を観てしまうとネタバレで面白みが半減してしまいます。

ほんとうの環境問題

水曜日, 10月 22nd, 2008


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環境問題というと今では地球温暖化が槍玉に挙がっています。しかし、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は地球温暖化問題について研究の収集と整理を行って来た組織ですが、その予測によると今世紀中の気温上昇は1.1〜6.4度だそうです。また海面上昇についてはこれからの100年で35cmだそうです。

海面は元々夏と冬で40cmの差があるし、満潮と干潮では200cmもの差があるのです。これで果たして問題があるのかということが語られています。またその他の環境問題や社会問題に対しても簡単な計算によって「ほんとうにそれは問題というるほど影響があるのか?」という問いが投げかけられています。

環境問題には以前から興味があったのですが、この本は「まったくその通りだ!」と思う物や「本当にそうなのか?」と疑問を持つ物までいろいろあって良かったです。

環境問題に対して一番の問題は人々が「何も考えないこと」です。何も考えないというのは、政府や会社の宣伝を鵜呑みにして、自分では考えずに指示通りに行動する事も含まれています。大切なのは自分で考え、少しでも良いから続ける事。自分がやっても大して効果は無いとあきらめてしまうのが良くない事です。

ペットボトルの商品を買わない、移動は車よりも交通機関を使う、食品を買うときはなるべく産地が近い物を買う、問題を起こした会社の商品は買わない、食器を洗う時は洗剤を使わずお湯だけで洗う、そんな簡単な事でかまわないのです。

イノベーションのジレンマ 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

火曜日, 4月 29th, 2008


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結構ビジネス書が好きで時々読んでいます。これもその一つ。良く行くブログで紹介されていたもの。業界のトップに立って大きな収益を上げている会社が、破壊的技術革新と本書で呼んでいる今まで大きく異なる技術を持った会社にその地位を追われてしまう。なぜ、トップの企業はその破壊的技術革新の波に乗れないのか、なぜ優秀な経営者であればあるほどその罠にはまってしまうのか。トップの会社の収益構造を元にそれらが解説されていて、とても面白かったです。